Z33型のフェアレディZ Version NISMOの車検整備を実施させて頂きました。エンジンルームの点検中、リザーブタンクに冷却水が残っていないことが分かりました。冷却水の漏れが疑われますのでさらに点検を進めたところ、ラジエターのアッパータンクおよびアッパーホースの2か所の冷却水漏れが確認できました。また、助手席側のラジエターファンが回っていませんでした。
ラジエターおよびアッパーホースを交換する必要がありますが、ラジエターは純正品だと約14万円と高額です。しかしラジエターは社外品が販売されており、純正品よりずっと安く入手可能であるためお客様にご提案しそちらを使用しました（今回使用したラジエターの場合約3万5千円でした）。なお、当店は普段から付き合いのある部品業者から仕入れますので、品質およびサポートがしっかりした社外品が入手可能です。
続いてラジエターファンが回らない原因を探します。診断機からアクティブテストを実施しましたが、回転数指令に関わらず助手席側ファンは回りません。左右のファンモーターは同一品番ですので、動かない助手席側ファンモーターを動いている運転席側ファンモーター側コネクタに接続することでファンモーターの故障かどうかが分かります。結果、ファンモーターが故障しており交換が必要でした。こちらもラジエター同様、純正品は約3万円のところ、8千円程度で入手可能な社外品を選択しました。
また、ファンへの電源供給も確認したところ、ファンモーターに電源が来ていないことが分かりました（モーターの故障に伴って過電流等で車両側回路に影響を及ぼした可能性があります）。回路図を元に、断線短絡やヒューズ等の確認を進めて行ったところ、リレーのOPEN固着が発生していると考えられる状態でした。
ファンリレーの交換が必要なのですが、このZ33の場合ファンリレーはIPDMと言うユニット単位での部品設定となっており、これが約8万円もします。そこで、IPDMからリレー単品を取り出し、同一の仕様のリレーを単品で入手しました。リレー単品は1800円程ですので、大幅に修理費用を抑えることができました（下の写真が純正リレーと今回使用した同一仕様のリレーです）。ファンモーターおよびファンリレーを交換し、無事ファンが作動するようになりました。
続いて、右フロントロアアームのボールジョイントに破れがあり、グリスが出てしまっていました。こちらは車検項目であることと、放置するとボールジョイントが損傷しますので修理が必要です。
ボールジョイント本体は使用できる状態なのですが、純正品はボールジョイントブーツ単品の設定がなく、ロアアームASSYでの交換となります。しかしこれは約4万円もするのですが、ここでも社外品を活用することとし、部品代はボールジョイントブーツ単品の1100円で済みました。
続いて、お客様よりご用命のあったデフオイル交換も実施しました。Z33はビスカス式LSDとなっていますので、対応するデフオイルを使用しました。
その他、基本点検整備、車検更新、ロードテストを行い納車させて頂きました。また、クラッチが減っている様子ですので近いうちの交換をお勧めさせて頂きました。
当店では修理の際に単純な純正交換のみではなく、社外品やリビルト品、部分修理等を積極的にご提案しています。予算を抑えたい、より性能の良いものにしたい等、ご希望に応じたプランをご提案させて頂きますので、是非ご相談下さい。この度はご用命誠にありがとうございました。
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