ポルシェ 911GT3(991前期)で、アイドリング中にブルッ、ブルッと言う不規則な振動があるとのことで修理を行いました。ロードテストで確認すると、確かにアイドリングで停止している時に時々失火している様子が見られます。失火は幾つか診断方法がありますが、まずは診断機で失火カウントをモニターします。その結果、2番シリンダーで失火が多く出ています。他に、5番、6番でも時々失火が起きています。

実際の点火電圧がどうかを確認するため、イグニッションテスターでも確認します。その結果、やはり2番シリンダーで特に電圧の異常値が観測されます。(下の右の画像は通常よりBurnTimeが長く、ピーク電圧が低めです)


イグニッションコイルおよびスパークプラグの交換歴がないとのことでしたので、全数交換することとしました。イグニッションコイルは費用を抑えられる社外品を、スパークプラグはGT3の場合特殊で社外品の設定がなく純正品を使用します。

911はリアエンジンの水平対向エンジンですので、プラグおよびコイルはリアタイヤ付近にあり、かなり特殊です。交換後、テスターで確認すると失火頻度が大幅に減りました。

交換後にタイヤを組み付けますが、GT3のホイールはセンターロックですのでかなり特殊です。ハブは砂利等を噛み込まないよう綺麗に清掃し、アルミペーストを塗布します。

その後タイヤを取り付けてボルトを締めますが、この締付けトルクは何と600N・mです。通常の車両では100~160N・m程度ですので非常に大きなトルクです。これは通常のトルクレンチでは全く対応できませんので、センターロック用の巨大なトルクレンチを使用して締め付けます。

車両復元後、ロードテストを実施して失火症状が解消したこと、その他車両に問題がないことを確認します。結果、アイドリングでの不規則な振動を感じなくなり症状が改善していることが確認できました。
当店では信頼のできる社外品がある場合や、修理代を抑える方法がある場合は積極的にご提案しています。また、センターロックホイールや21インチ以上の大きなタイヤの交換等、他店では実施できない整備にも対応していますので、是非ご相談下さい。この度はご利用誠にありがとうございました。
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