マセラティ クワトロポルテGTS エアコン修理(A/Cコンプレッサー、ドライブベルト交換)

 マセラティ クワトロポルテGTSのエアコンが効かないとのことで、修理を依頼頂きました。早速症状を確認すると、全く冷風が出ません。エアコンガスが入っているか、コンプレッサーに作動信号が入っているか等の点検を行い、コンプレッサー本体に故障があることが分かりましたのでコンプレッサーを交換します。
 まず、コンプレッサーを取り外す前段階としてドライブベルトを取り外しますが、この車両のドライブベルト取り外しはとんでもなく手間が掛かります。最初の状態ではベルトがほとんど見えておらず、多くの配管、カバー、センサー類を外して、やっとベルトの全体が見えるようになります。

ドライブベルト周辺

 ドライブベルトを外すだけでかなりの手間を要するのですが、ベルトが外れた後に今度はエンジンマウントを外す必要があり、ここで心が折れそうになります。もちろんそんなことは言っていられませんので、ミッションジャッキでエンジンを支え、エンジンマウントを取り外します。

 エンジンマウントを取り外すとようやくコンプレッサーを取り外すことができますが、それもアクセスしにくいボルト等、取り外しには苦労が必要です。

新旧エアコン コンプレッサー

 新しいコンプレッサーを取り付け、各部品を復元して行きます。また、ドライブベルトはやや劣化が見られたためお客様と相談し交換することとしました。クワトロポルテGTSではベルトの交換だけで工賃が高額となるため、今回のようにベルト交換を伴う作業を行う場合は交換しておく方が結果として整備代を節約できます。

新旧ドライブベルト

 取り外した部品を復元した後、エアコンガスを充填します。専用の機械を用いて、真空引き、コンプレッサーオイル注入、加圧テストを行いながら充填します。

エアコンガス充填

 エアコンガスの充填を完了し、いよいよ動作の確認を行います。もしこれで直っていなかったら立ち直れなそうですが、無事8℃の風が出ており修理できていました。

修理後の冷風

 クワトロポルテGTS(M156Aエンジン)ではベルト交換の工賃が高額になりますので、今回のようにベルト脱着を伴う作業を行う場合は合わせて交換することをお勧めします。この度は修理のご依頼を頂き誠にありがとうございました。

株式会社東京オートラボ
〒206-0025 東京都多摩市永山6-1-18 K・Yビル101
Tel:042-316-9610

関連記事

TOP
access contact blog
PAGE TOP