レンジローバー ヴェラールで冷却水が漏れているとのことでご入庫頂きました。入庫時点でリザーブタンクは空になっていました。リザーブタンクに水を入れてみると、即座にエンジン前側からどんどん漏れてきます。
Vバンクの間あたりから漏れている様子ですが、非分解状態では特定できないため分解して行きます。吸気ダクトを外し、ウォーターポンプが見える状態にしてもさらにその奥から漏れているようです。従ってウォーターポンプも取り外しました。
ウォーターポンプを取り外すと、その奥にある樹脂の配管が割れて冷却水が漏れていることが分かりました。しかしこの配管を交換するためにはスーパーチャージャーを取り外す必要があり、大掛かりな作業となります。この辺の破損したら修理費が高額になる配管に樹脂を使うのはやめて欲しいといつも思いますが、特に輸入車ではこのような設計となっているケースが多いです。とにかくスーパーチャージャーを取り外しました。
樹脂パイプの根本が下の写真の通りポッキリと割れてしまっていました。このパイプはエンジンのブロックに直接刺さるようになっており、いかにも負担が大きそうです。
部品を発注したところ、部品の形が変わっており対策品となっています。割れたパイプと、それに繋がっているもう1本のパイプも変わっており、この2本を組み合わせて初めて元のインターフェースに適合するようになっています。そのため必ず両方交換しなければならず注意が必要です。
スーパーチャージャーはインテークマニホールドと一体なので、インマニガスケットも交換が必要です。それ以外にも、取り外したガスケット類は全て交換します。
配管の交換で、リザーブタンクに水を入れるだけでジャバジャバ漏れるような漏れは無くなりましたが、エンジンを掛けると少量の冷却水が漏れてきます。再度漏れ箇所を探したところ、今度はウォーターポンプから漏れていたため、ウォーターポンプも交換しました。また、ドライブベルトも冷却水の付着もあり劣化が見られましたので交換しました。
水漏れは無くなり、修理が完了しました。ランドローバーでは冷却水漏れは発生しやすい傾向にあります。冷却水がないまま走行を続けるとエンジンが壊れますので、冷却水が駐車場の地面に落ちていたり、冷却水不足の警告が出たりした場合にはすぐに点検が必要です。この度はご入庫頂き誠にありがとうございました。
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