BMW Mini クーパーSの冷却水(LLC)漏れでのご入庫です。BMWミニ特有の、漏れが発生しやすい箇所として3か所あります。その3か所とは、ウォーターポンプ、サーモスタット、エンジン奥の配管です。こちらの車両はその全てを経験しており、その都度ご入庫頂いていたのですが今回はまとめて記事にします。
まずはウォーターポンプです。これはミニ以外の車両でもよく漏れが発生する箇所です。この場合、右ハンドル車の運転席側からの漏れとなります。ミニの場合、ウォーターポンプの交換が少し手間がかかります。ベルトではなくフリクションホイールと言う車輪を介してクランクからの回転力を得ると言う珍しいシステムを採用しており、そのためウォーターポンプ交換のためにはフリクションホイールを取り外す必要があります。また、ウォーターポンプ周辺の空間が狭く作業がし辛いです。
続いてサーモスタットです。こちらはヨーロッパ車によくあるのですが、サーモスタットが樹脂でできており、樹脂の割れにより冷却水が漏れます。この場合は右ハンドル車の助手席側から水が漏れ、またミッションの上に漏れた水が溜まっているのが見えます。今回はより安価な社外品を使用しました。
3つ目はエンジン奥の配管です。エンジン奥側、エアクリーナーの下のインテークマニホールドの下にあり、分解しない状態では見えません。下の写真の通りのただの樹脂パイプです。この配管が割れてエンジン後ろ側あたりから水漏れが発生します。
この配管はサーモスタットとウォーターポンプを繋いでいます。特にウォーターポンプ側が割れることが多いのですが、取り外しの際はウォーターポンプではなくサーモスタットを外すことが必要です。サーモスタットの交換は手間が掛かり工賃も掛かってしまいますので、この配管を交換すると部品代より工賃がずっと高くなります。ですので、サーモスタットが故障した際は、こちらのパイプも予防的に交換することをお勧めします。なお、正式な手順としてはインテークマニホールドを取り外す必要があるのですが、当店ではインテークマニホールドを取り外すことなく交換できますので、その分の工賃およびインテークマニホールドガスケットの代金を節約することが可能です。
以上、今回はBMWミニのよくある冷却水漏れについて記載させて頂きました。ミニに限りませんが、特に輸入車では冷却水系統に樹脂を用いる傾向があり、その劣化で冷却水が漏れると言うことが頻繁に発生します。当店では、このような漏れやすい箇所について、今は漏れていなくても交換した方が良い場合などには積極的にご提案するようにしています。是非ご相談下さい。
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