アストンマーティン DB11の車検整備をご依頼頂きました。DB11はV8とV12があり、どちらも非常に良いお車ですが、こちらはV12エンジンのモデルです。まずはロードテストを行い、静止状態の点検では見つけられない異常や違和感がないかを確認します。その後工場で点検整備を行います。
事前にご相談頂いていたのですが、エンジンチェックランプが点灯しています。一方、車の挙動は全く通常通りでした。DB11に対応するテスターでチェックランプの内容の診断を行います。
テスターによると、排気圧制御の異常が記録されており、このエラーコードによりチェックランプが点灯していました。しかし現在は正常な値であったため、一旦エラーを消去して再発しないかを調べましたが、その後再発することはなかったため様子を見て頂くこととしました。
DB11は現代では大変珍しいクラムシェルボンネット（逆アリゲーター）です。ボンネットを開いて点検を進めて行きます。
エアコンの効きがやや弱い様子だったため、エアコンガスサイクルメンテナンス（エアコンガスクリーニング）をご提案し実施しました。DB11のエアコンガスポートはエアクリーナーボックスの下にあり、アクセスするためにはエアクリーナーボックスを取り外す必要があります。
エアコンガスクリーニング後、エアコン吹き出し口温度は約10℃から5℃まで下がり、新車同様の冷え方をするようになりました。
続いてエンジンオイル交換を行います。DB11は新しい世代のオイル規格（ACEA C5/C6 0W-20）が要求されていますので、対応するオイルを使用します。この規格に適合しているオイルは現状かなり少ないのですが、当店ではこの規格に適合したオイルとしてMOTULをお勧めしています。また、オイルフィルターも交換します。オイルフィルターは純正品を使用します。
オイル交換時、エンジンフラッシングを行いました。これによりエンジンオイルラインに蓄積されたカーボンやスラッジ等を洗い流します。また、オイルには添加剤としてWAKO’Sのスーパーフォアビークルシナジーを添加しました。こちらを入れることでエンジンのフリクションロスが低減され、滑らかなエンジンフィーリングが得られることに加え、エンジンの寿命向上、燃費向上と言った効果が得られます。
エアコンフィルターも長期間交換歴がなかったため交換させて頂きました。エアクリーナーエレメントはまだ使用可能な状態でしたので、エアブローによる清掃を行って戻しました。
その他、ヘッドライト光軸調整、ブレーキフルード交換、各部調整・グリスアップ等の車検整備を行っていきます。なお当店では圧送式のブレーキフルード交換器を備えていますので、確実なエア抜きおよび全量のフルードの交換が可能です。
当店では、12か月点検および車検整備の基本サービスとして、塗装キャリパーの清掃、およびホイール裏側洗浄を行います。これらはタイヤを外した際にしか清掃できませんので、この機会にキレイにします。
最後に、メンテナンス期限超過の表示が出ていたため、メンテナンスインターバルリセットを行い、車検を更新して整備完了です。この度はご利用頂き誠にありがとうございました。
アストンマーティンは独特の構造、情報の少なさ、部品入手性の悪さ等から、専門の知識がないと整備が困難です。当店ではこれまで多数のアストンマーティンの整備実績があり、Vantage、DB9、ヴィラージュ、ラピード、ヴァンキッシュ、DBS、DB11、DBX等、ほとんどの車種の整備が可能です。また、他メーカーの車にはないウィークポイントや、気にすべき箇所なども重点的に点検いたしますので、是非大切な愛車の整備をお任せ下さい。
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