ポルシェ パナメーラS(970型)で、車を停めてしばらく経つと右フロントの車高が下がってしまうとのことで修理のご依頼を頂きました。エンジンを始動すると車高が戻り、エンジンを切って数時間すると写真のとおりシャコタン状態になります。なお、エアサス故障が発生した場合、車両が車高を保持しようとする結果、コンプレッサーに負荷が掛かり2次損傷が発生することがあります。従いまして、車高が下がってしまう故障に気付いた場合はすぐに修理することをおすすめします。コンプレッサーまで故障すると、ただでさえ高額な修理がさらに高額になってしまいます。

こちらの車両ではコンプレッサーは正常ですので、エアサスペンションのエア漏れが疑われます。まずはジャッキアップしてタイヤを外し、エアサスの状態を確認します。なお、エアサス車はジャッキアップする前に、ジャッキアップモードに設定する必要がある車種が多いため注意が必要です。970パナメーラの場合は車高変更ボタンを10秒長押しでジャッキアップモードになります。これを行わずにジャッキアップすると最悪の場合正常なエアサスも故障します。

タイヤを外しエアサスが見える状態にし、石鹸水を吹きかけます。すると、エアサスからエアが漏れていることが確認できました。

エアサスから空気が漏れていますのでエアサスの交換が必要です。今回は右フロントのエアサスに漏れがあり左フロントは無事ですが、劣化は同時に進んでいますので基本的には両方の交換をおすすめします。ただ、今回は2~3年前にディーラーで保証交換したばかりだったとのことで、右のみの交換としました。
お客様と相談し、エアサスペンションは社外品を使用することとしました。純正品は1本で30万円近くしますので、工賃も合わせると大変な額となります。当店では信頼できる部品商との取引がありますので、そこからリビルト品や社外品が入手可能な場合には、積極的にご提案するようにしています。今回の修理ですとディーラーさんで純正品を用いて修理する場合より20万円程度安く済みます(2本交換するならその倍です)。

パナメーラのフロントサスペンションは、油圧ダンパーとエアバッグ(ベローズ)を組み合わせた構成となっています。一方故障しているのはエアバッグの部分だけですので、油圧部分とエア部分を分解して、エア部分のみを交換します。なお、この時エア漏れがないよう、Oリングなどは新品に交換します。

エアサスを組み立てて車体に組み込んだ後は、テスターを用いてエア充填やキャリブレーションを行います。これをキチンと実施しないとせっかく交換したエアサスを損傷させてしまいます。


作業後、無事に車高が下がらなくなりました。エアサスペンションはポルシェに限らずほとんど消耗品と言っても良いくらい頻繁に壊れるパーツです。また、特に輸入車の場合は純正品が非常に高額で、車種によっては2本交換で100万円にもなる場合もあります。信頼できる社外品がある場合には大幅に費用を抑えることが可能ですので、車高が下がってしまうようになった場合は是非当店にご相談下さい。この度はご利用頂き誠にありがとうございました。
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