メルセデスベンツ AMG E55(W211)で車高が下がり、警告が出るとのことでご入庫頂きました。なお、ベンツでは他のEクラス(W212、W213のE200、E220、E250、E300、E350、E550、E63等)でも同様の故障が頻繁に発生します。原理は同じですのでベンツのエアサス車で同様の問題が起きた場合には参考にして下さい。

下の写真の通り、右フロントが下がってしまっています。


こちらの車種はエアサスを装備しており、車高が下がる故障はエアサス系統のどこかに故障があります。まず、テスター(診断機)を用いて、アクティブテストを行います。

アクティブテスト機能により、4本の各エアサスに1本ずつ空気を送り込みます。この結果、右フロント以外は車高変更が可能であり、コンプレッサーは問題ないことが分かります。また、右フロントは空気の圧力が一時的に上昇しますが、数十秒で大気圧まで下がるためエア漏れが疑われます。コンプレッサーからエアサスまでのエアラインの漏れを調べた結果、フロントエアサス本体にエア漏れがあることが分かりました。
エアサスが故障していますので、エアサスを交換します。左はまだ漏れはありませんが、劣化が進んでいると考えられますので両方交換します。純正のエアサスは左右で約60万円と途方もなく高額ですが、修理費を抑えることができる社外品を使用しました。純正品の半分から1/3程度の価格で購入可能で、修理費を大幅に抑えることが可能です。

左右のエアサスを新品に交換し、エアのラインを接続します。

エアサスを交換してエアを入れると、無事に車高が上がるようになりました。また、診断機で値をモニタするとしっかりと圧力が掛かるようになりました。

続いて、エアコンの効きが悪いとのことで、こちらも対応させて頂きました。まず温度を計測すると約11℃で、これはエアコンシステムは機能してはいるけれど十分ではない、と言う状態です。

コンプレッサーやガス圧など一通りの点検を行い、エアコンガスに問題があると考えられる状況であるため、エアコンガスの補充およびクリーニングを行うこととしました。現在のエアコンガスを抜き、クリーニング、真空引き、気密テスト、エアコンオイル注入、ガス充填を行っていきます。


エアコンガスサイクルメンテナンスが完了し、エアコン吹き出し口温度を計測すると、5.8℃まで下がるようになり、室内温度も十分に冷えるようになりました。
エアコンシステムは多くの構成品で構成されているため、機能低下は様々な原因で発生します。コンプレッサーやエバポレーターの故障の場合は修理費が高額になりますが、今回のようにガスだけの問題であれば修理費は数千~数万円程度で済みます。エアコンの効きが悪いと感じた際に、全く効かなくなる前に点検に出すことをお勧めします。この度はご利用頂き誠にありがとうございました。
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