BMW X5で、しばらく車両を停めていると左リアの車高が下がってしまうとのことで修理をご依頼頂きました。エンジンを始動すると元の車高に戻るとのことで、この現象はエアーサスペンション(エアサス)装備車両では頻繁に発生する症状で、真っ先に疑われるのはエアサス(ベローズ)のエア漏れです。同様の症状はF11の523iや528iなどの5シリーズでもよく発生します。
エア漏れを確認するために、エアを充填した状態でベローズに石鹸水を吹きかけエア漏れがあるかを確認します。そうするとプクプクと泡が発生してエア漏れしていることが分かりました。
エンジンが動いていれば車高は戻るからとエア漏れ状態のまま放っておくと、車高を保とうと常にエアポンプが作動することでエアポンプに負荷が掛かり損傷してしまいます。そうなると修理費用が非常に高額となりますので早目の修理が必要です。
それではエアサスの交換を行っていきます。まず、エアポンプの動作を止めるために、リアラゲッジスペースにあるヒューズボックスからエアポンプのヒューズを抜きます。
続いて、車両を接地させた状態で診断機を用いてエアを抜き、その後車両をリフトアップしエアサスを外します。
漏れているエアサスは左側だけですが、右側も劣化していることが考えられますので両方交換します。純正のエアサスは左右で約14万円と高額ですが、お客様のご希望により持ち込みで社外品を使用させて頂きました。今回使用したのはArnott(アーノット)製のもので、多くの実績があり信頼できる商品ですが純正品の半額に近い価格で入手することが可能です。
エアサスを交換した後、エアポンプのヒューズを戻し診断機を用いてエアを充填し、漏れがないことを確認します。
車両を復元した後、ロードテストを行い故障が解消したことを確認してご納車させて頂きました。エアサスは大変便利な装備である一方、故障の多いシステムでもあります。今回のようにエア漏れが発生した場合、放っておくとエアポンプまで故障してしまいますので早目の修理をおすすめします。この度はご利用誠にありがとうございました。今後もご贔屓頂けると幸いです。
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