アストンマーティン V8 Vantage N430の修理をご紹介します。街でもあまり見かけないN430です。「コショウノタメ ギアチェンジフノウ」の警告が出てギアチェンジ不能となり車両が発進できなくなったとのことで、レッカーによりご入庫頂きました。また、「ハイキシステム ハヤイジキニ テンケンヒツヨウ」のメッセージと共にエンジンチェックランプも点灯しています。
車両を点検しますと、リアからのオイル漏れがあります。ASMフルード漏れが疑われる状況ですので点検したところ、やはりASMフルードが漏れてしまっています。なお、V8 Vantageはミッションがリアにあり(トランスアクスル構造)、そのミッションにASMフルードタンクやASMポンプが付いています。
漏れの原因は、ASMホースが劣化により亀裂が入ってしまいそこから漏れています。以前のブログでも書きましたが、これはATのV8 Vantageでは大変多い症状です。
ASMホースを交換して行きますが、このためにはミッションを半分おろす必要があり、そのためにマフラーやミッションマウントを外す必要があるので、ホースを交換するだけですが作業としては大掛かりとなります。
ホースを取り外しました。写真のとおり、ホースに多くの亀裂が入ってしまっています。
こちらのASMホースは必ずと言っていいほど劣化で漏れます。こちらも以前のブログで紹介した社外の強化品に交換します。強化品ホースは柔軟性が高く、また2重構造になっており長寿命が期待できます。さらに純正品よりも安価ですのでお勧めしています。
ホース交換後は、ASMフルードの補充およびエア抜きが必要となります。この作業は診断機を用いて行います。
無事にホースを交換し、漏れがないことと、ギアチェンジができるようになったことを確認しました。また、診断機でクラッチの残量の確認も行いました。クラッチへの負担が少ない乗り方をされているようで、残量はまだ十分でした。
続いて、エンジンチェックランプの確認を行います。診断機で確認すると、上流側のO2センサーの異常を拾っていました。O2センサーの波形を見て、異常の程度を調べます。
O2センサーはやや劣化していますが、即座に交換が必要と言うレベルではなかったため、お客様と相談し、今回はエラー消去だけ行い様子を見ていただくこととしました。アストンマーティンのO2センサーの故障判定は閾値がやや厳しく、まだ機能的に使用可能であってもエラーと判断することがありますので、交換要否はデータをモニタして判断する必要があります。
アストンマーティンは維持が大変な面もありますが、万全のサポートをさせて頂きますので、安心して当店にお任せ下さい。この度は誠にありがとうございました。
株式会社東京オートラボ
〒206-0025 東京都多摩市永山6-1-18 K・Yビル101
Tel:042-316-9610